舞先輩、複雑に暇つぶし

 


「I沢U一」

俺はスラングで軽くシャレてみながら夜の学校へ赴く。

すると廊下になにやら白く丸くてでかい変な物体があった。

「な、なんだこりゃ……」

「舞の綿包み」

「うおっ、しゃべった!?……って、舞?」

舞が物体から首をにょっと出した。

「一瞬、本当に綿がしゃべったかと思ったじゃねぇか……」

しかし、見ればみるほど不気味だ。

「でもあったかいから」

「……」

「さらに祐一の分もある」

舞は綿から学生カバンを取り出し、その中からごっそりと綿をひっぱりだした。

「お前、カバンにそんなもん詰め込むなよ……」

俺はそう言いながらも綿を受け取ってしまう。

そして実際に綿にくるまってみた。

「……?」

あれ?

これって、意外と……落ち着く…。

「いいな、コレ」

こく。

どうやら舞もかなり気に入っているようだ。

でも、今の自分達の状況を鏡で見たらきっとものすごく馬鹿なんだろうなぁ……、俺はそう思った。


「ユウキりんりんアソパソマソ!」

俺はリンって有機じゃなくて無機物だよなぁと思いながら夜の学校へ赴く。

すると剣をブンブン振り回し、あっちこっち飛び跳ねて今にも火を吹かんばかりの舞がいた。

「何やってんだ、舞」

「パワー全開」

「……そのままだな」

見ると、廊下の隅の方に空のリポビタソDが8本ほど転がっていた。

きっと今日で魔物は全滅だ。


「って、ダメだったんかい!」

俺は昨日にツッコミを入れながら夜の学校へ赴く。

すると携帯可能ガスコンロを床に置き、鍋を煮ようとしている舞がいた。

「何つくってんだ、舞」

「雑炊」

しかし、鍋のフタを開けてみると米とお湯しか入っていない。このままではお粥になってしまう。

「舞、材料はどうした」

「あ……買い忘れた」

なんということだ……。

だから、俺は……。

「長ネギと三つ葉と卵と鶏肉としょうゆと塩と砂糖なら買ってきたぞ」

「……!」

妙な胸騒ぎがして自分でもよくわからないうちに謎の材料を買ってしまっていたが、どうやらこのことだったようだ。

「虫の知らせってヤツか」

「祐一、偉い」

「つーか俺に言われるまで忘れてたお前もすごいと思うけどな」

「なんか足りないような気はしてた」

「気だけか…」

俺はスーパーの袋を舞に渡した。

「俺達って最強コンビだよな」

「祐一、食べるときのお椀とか、ある?」

「おう、ついでにコンビニに寄っておでんの容器と箸もらってきた」←用意周到

舞は材料を剣で切り、鍋に入れて米と一緒に煮る。

しばらくすると鍋のフタから蒸気が上がってきた。

「あ、そうだ、舞。お前ちゃんと剣きれいに拭いておけよ。錆びるからな」

「わかってる」

「たまに佐祐理さんと昼飯に鍋やるのもいいかもしれねぇな」

こく。

ううむ、この時期、やっぱり温かい食べ物が一番だなぁ……。


「みね打ち」←舞

どぶしっ。←両刃なのを忘れてたらしい

ぐったり。←祐一


「舞、面白い暇つぶし思いついたぞ!」

「何?」

「森本レオの真似」

「帰っていいから」

舞ちゃん酷い。


「うぐぅうぐぅうぐぅうぐぅうぐぅ、ぺっ」

俺はどっかで聞いたようなフレーズっぽく口をゆすぎ、良い歯の賞をとれそうな勢いで夜の学校へ赴く。

するとジョグダイヤルを左胸ちょい下のあたりに、その隣に紙切れをつけている舞がいた。

「何やってんだ、舞」

「金庫」

こういうのを見るとどうしてもあけたくなる性格の俺は早速ジョグダイヤルに手を置く。

「む……ロック解除番号がわからないな」

「ヒントならここに」

紙切れを指さす。ヒントペーパーだったらしい。

「『自分に正直に』……?」

よくわからないまま改めてダイヤルを見てみる。

「あ…」

近くで見てみるとダイヤルに刻まれた文字は数字ではないことに気付いた。

「”舞”、”佐祐理”、”名雪”、”栞”、”あゆ”、”真琴”、”美汐”、”その他”」

俺がよく知ってる奴らの名前が刻まれている。しかし秋子さんがどこにも見つからないのは、俺から三親等内にあるからというより年齢的なものだろう。うん。

「誰を選ぶか正直に言えってことかよ」

「……」

舞は無表情なままじっと見ている。

ここはあえて”その他”を選ぶべきか、まともにやってみるべきか……。

…一番選びたいのがその他っていう、俺の中の芸人根性も問題な気がするが。

ともかく俺はあまり深く考えず、適当にダイヤルを回し始めた。

カチ……カチカチ…カチ…

誰を選ぶのか、まだ俺にもわからない……。

カチカチカチ…………

カチ……

ダイヤルの音だけが廊下に響いている……。


 

コメント:

こんにちは、コンソメ秘書です。

もとい音速秘書です。

きっと舞先輩の暇つぶしより今のコンソメ秘書で笑った人は私だけではないでしょう。(自分で考えついといて笑ってしまった)

いつの間にやらこのシリーズ、6回目なんですね。

実はこれって連載?

でもオムニバスだから連載扱いは不可でしょうけど。

とまあそんなことを思いつつまた今度。

 

あ、お暇でしたら姉妹サイトの方も行ってみてください。

ここと同じくやまけんが管理してます〜。

え、私は、私は………いま……せんけど、ビビンバ吉田とかいうよくわからないヤツがいた気もします。←バレバレ

http://ymkn.3nopage.com/paro/

 

それでは、どんぶり秘書、もとい音速秘書でした。←しつこい


戻る 畳返し! 畳の裏は思った以上に埃っぽかった! 自分に20のダメージ!