修正不可能。佐祐理さんの常識レベル

 


「ハァハァ」

俺は「今日の下着何色?」と聞きそうな古典的変態っぽい息づかいをしながら昼食のため屋上へ向かう。

そこにはお弁当の他になにやらバッグを置いている佐祐理さんがいた。

「こんちは、佐祐理さん。えーっと、舞は?」

「こんにちはー。舞はさっきトイレに行ったので、戻ってくるまで待ってるんですよ」

俺はとりあえず腰をおろす。

「あの、舞が佐祐理のノートPCを見たいっていうんで持ってきたんですけど、祐一さんも見ますか?」

「それ、ノートPCなんですか。よろしければ見せてください」

佐祐理さんはバッグからPCをとりだし、起動する。

「…………」

壁紙は舞の写真をうまく加工したものだった。

さらに、エクスプローラを開くと当然の如く存在している”舞”フォルダ。

そこにはさらに”音声”、”静止画”、”動画”フォルダ……。

「佐祐理は舞関係で3GBつかってるんですよー」

この人は少しアブナイ人かもしれないと初めて思った。


「佐祐理さんってほんとに舞が好きですよね」

「ええ、特に最近は舞盛りの時期ですからー」

……ま、舞盛り…?

「…………」(想像中)

ちょっとドキドキ♪


俺は佐祐理さんに飲み物の入ったコップを渡された。

「このオレンジジュースはアップル100%なんですよー」

それってアップルジュースなのでは?


「株主総会!」

俺は北川に難しい言葉を投げかけ、混乱させてから学校を出ようとする。

すると後ろから、

「祐一さん、こんにちは〜」

「あ、佐祐理さん」

「ちょっと聞いてください。佐祐理、この前CD買ったんですよ〜」

随分強引な切り出し方だが、この人の場合、逆にこれぐらいが自然に感じるから不思議だ。

「はぁ、CDですか」

「悲しいバラード系なんですけど、曲が終わった後『助けてーー!』って、本当に悲痛な叫びが入ってて、ほろっときちゃうんですよ」

それは制作者が意図したものではないであろうと思った。


「それは昔、人間の知恵の一部だった。しかし二十世紀がそれを排除した。そして二十一世紀、我々はそれを取り戻さねばならない。私はそう思う。ゆえに我あり

俺は自分で言っててなんだかさっぱりなまま学校を出ようとする。

すると、誰もいないのに物陰に隠れ、ばっと飛び出して「わっ!」とやっている佐祐理さんがいた。

「何、やってるんですか?」

「あ、祐一さん。さっきから、ヒック、しゃっくりがとまらないんですよ。で、なんとか自分を驚かせて止まらせようと……ヒック」

「…………」

「人を驚かせるのって意外と、ヒック、難しいんですよね」

あなたの思考を理解する方が難しいです。


「そうか!だから進まなかったんだ!」

俺は左足を前に、しかし右足を後ろへと歩いていたのでどんどん足が開くばかりで意味をなさないことに気づき、普通な歩きに戻してから屋上へと向かう。

3階まで上がり、佐祐理さん達の姿が目に入る。

「こんちはー、ついでに明日の分もこんにちはー」

何の変哲もないあいさつをしつつ階段を一段登ると、

「ド」

佐祐理さんが突然言い出す。

「……は?」

何だろうと、もう一段登ると、

「レ♪」

さっきよりちょっと高い音で「レ」。ということは、どうやら音階、のつもりらしい。

今度は二段をトトッとかけあがると、

「ミファ」

やっぱりそうだ。

……次は同じ音を連続で、

トトトトトトトッ。

「ソソソソソソソ」

……一段下がる。

「ファ」

……ちょっとタイミングをずらしつつ、

「ララ…ソララシ、ソファラ♪」

……よし、でたらめだ!

「ソミドレレファラシミファドレミーーファファファファソーーーードレドレドレドレーーーーレレレレファレレドレミファソラシドドドラシドーーーーーー♪」

「ハァ……ハァ……佐祐理さん…天才ですね」

「あははー、それほどでもないですよー」

「佐祐理、最後の方の”シ”が少し低かった」

「……」

「…………」

舞は視線を落とし、何事もなかったかのように海老のしんじょをパクついていた。


「マリモって、トトロのマックロクロスケが緑になったようなものですし、マッミドリミドリスケって呼ばないんでしょうか?」

「呼びません」

「何故?」

「言いにくいので」


 

コメント:

どうもこんんんんんんんんにちは、サービスで”ん”を多くしてみた音速秘書です。

あ、言いにくいですか……。そうですか。じゃあ次からはやりません。

えーと、今回は佐祐理さんの(非)常識レベル、レベル3です。

しかし、毎度ながらHPで公開できるレベルがギリギリですね…。これ以上クオリティが下がると全部ボツになります、きっと。

そういえば、祐一の通ってる学校って進学クラスがあるようなことが舞踏会のときちょろっとありましたが、どうして佐祐理さんは普通クラスにいるんでしょうか。実はそんなに頭良くないんですかね?

佐祐理さんが「ちょっと頭が悪い」と言っているのは進学クラスの入試に落ちたからだったりして……。

なんて思ったりしつつ、また今度。


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